HELLO STONE PROJECTいしみがくひとくらし

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HELLO STONE PROJECT

vol.4 ファッションデザイナー 廣川玉枝さんが聞きにいきました。

「服が身体を覆うように、石は建築物を覆っている」。関ヶ原石材は、建築物の外装やインテリアをはじめ、さまざまな石材を扱っている会社で、取扱高は日本一。たくさんのビルを手がけています。70年近い歴史を持っているので、会社の中には石にまつわる知識や知恵がいっぱい。面白いエピソードが、あれこれ詰まっているのです。この連載は、石について広く深く知っている関ヶ原石材の日比順次さんが、デザイナーやアーティスト、建築家、ジャーナリストなど、さまざまな業界の人をお招きし、おしゃべりするコーナーです。 新装して4回目のトークは、前回に続いてファッションデザイナーの廣川玉枝さんと行いました。廣川さんは「イッセイミヤケ」のデザイナーを経て独立し、自身のブランド「ソマルタ」を率いながら、ファッションに限らず幅広い分野のデザインを手がけています。国内はもとより、海外に活躍の場を広げ、デザインの見本市であるミラノサローネに作品を発表して評価を得ている――そんな廣川さんが関ケ原石材を訪れ、石からどんなインスピレーションを得たのかを語ってもらいました。 日比さん前回、「服が身体を覆うように、石が建築物を覆っている」というお話を聞いて、なるほどと腑に落ちました。意外なところに共通点があると。廣川さん日比さんは、石について何でも知っていらして、お話を聞いていて触発されるのですが、もともと石好きで関ケ原石材に入られたのですか?日比さんいやいや、学校では機械の勉強をしていて、その延長でここに入社したのです。石に触れるようになって興味を持ち、徐々に石の歴史や文化を知っていっただけで大したことないのです(笑)廣川さん私ももともと服が好きでこの仕事についたわけではなく、幼い頃から絵を描くのが好きで、絵を描きながら人の役に立つ仕事は何だろうと考え、ファッションの専門学校である文化服装学院に進むことにつながっていったのです。服に限らず、暮らしを取り巻くさまざまなものに興味が向かっていくのは、そんなところに理由があるのかもしれません。工場を巡りながら日比さんからうかがった、石にまつわるあれこれのお話、物凄くおもしろかったです。 日比さん何千年も前から、人は暮らしの中で石とかかわってきたのに、日本の場合は暮らしとのかかわりが割合と浅い。城壁や灯篭、石庭といったところで使われてきたのですが、権力のための建築物というイメージが強く、日常から割合と遠いイメージになっているのが残念です。廣川さん今日、ショールームを拝見して、石は空間を変える力を持っていると強く感じました。服を身体に着せるように、石を空間に着せる。”空間の装い”という視点から考えてみるのもおもしろいのではないでしょうか。日比さんなるほど。石というと重厚なイメージが先に立ってしまうのですが、そうではない軽やかなイメージを出すことも大事かもしれません。たとえば、やわらかく心地良い空間という考えを活かせないか。そんなこともありそうです。廣川さん私が庭に石ころや砂利をまいているのは、自然を身近に感じたい、石に触れていたい、それが心地よいと感じているからだと思うのです。コロナ禍によって、家にいる時間が増えて日常の暮らしを見直す中で、そういう意識が高まってきているのではないでしょうか。 日比さん服の領域でも何か影響があるのですか?廣川さん今までが作り過ぎていたことへの反省は出てきています。もともと服は、半年ワンサイクルで回ってきました。「トレンド」にのっとった商品を生み出してセールをして売り切る。アパレル産業としてそういう大車輪を回してきたのです。でもコロナが起きる前から、ものを大切にしたいという意識は、徐々に広がりを見せていました。だからファッションに興味がなくなったのではなく、好きなものを長きにわたって愛用したいという気持ちが強まってきた。それがコロナによってはっきりしたというのが本当のところだと思うのです。日比さん服に限らず暮らしを取り巻くあらゆるものについて言えるのかもしれません。商業施設のブランドブティックのインテリアで石を使っていただくこともあるのですが、ブティックを作っては壊すというサイクルが早過ぎてもったいないと感じることがあります。廣川さん地球環境を良くするサスティナブルな意識からも、新しいものを作り続けることにネガティブな意見が出てきています。ただ私は、服を着ることで、人は楽しい気分や心地良い思いを抱くことができるのだから、そのために服を作っていこうと考え、デザインを続けています。日比さんまったく同意見です。石材はこれからも必要とされるものであり、われわれが止めてはいけないし、もっともっと広めていかなければいけないと考えています。廣川さんただ、服を作って終わりではなく、ブランドを続けてきた思いや、服を作り上げるまでのストーリーを、もっと伝えていかなければいけないとも思うのです。それがあるとないとでは、ものの見え方も使い方も違ってくるのではないでしょうか。日比さんおっしゃる通りで、そこに力を入れていかなければならないと、ハローストーンプロジェクトを続けてきました。廣川さんのお話を聞いて力を得た気分です。廣川さん石には壮大なストーリーがあるのですから、その財産を是非、生かしてください! 今後の活動を応援していきたいと思います。日比さんこれからもよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。
2021.05.27
Interview

vol.3 ファッションデザイナー 廣川玉枝さんが聞きにいきました。

「服が身体を覆うように、石は建築物を覆っている」。関ヶ原石材は、建築物の外装やインテリアをはじめ、さまざまな石材を扱っている会社で、取扱高は日本一。たくさんのビルを手がけています。70年近い歴史を持っているので、会社の中には石にまつわる知識や知恵がいっぱい。面白いエピソードが、あれこれ詰まっているのです。この連載は、石について広く深く知っている関ヶ原石材の日比順次さんが、デザイナーやアーティスト、建築家、ジャーナリストなど、さまざまな業界の人をお招きし、おしゃべりするコーナーです。 新装した本連載、二人目にお招きしたのはファッションデザイナーの廣川玉枝さんです。「イッセイミヤケ」のデザイナーを経て独立し、自身のブランド「ソマルタ」を率いながら、ファッションに限らず、さまざまな分野におけるクリエイションを手がけています。新しい分野への挑戦も意欲的に行なっていて、2018年のWIRED Audi INNOVATION AWARDなど、数多くの受賞歴をお持ちです。石とファッション――一見すると関係がないように見えますが、二人のおしゃべりは広がりました。 廣川さん:初めてここ関ケ原を訪れたのですが、工場の規模の大きさに驚きました。見学させてもらって、とても気分が高揚したのです。人間が作れないものを地球が作っている。そんなエネルギーに触発されました。日比さん:もしかすると廣川さんは、石と対話されたのではないでしょうか?僕も時々感じるのですが、石と相対していると、無言ながら何かを語りかけてくれるのです。また、工場のことを褒めていただいてありがとうございます。大きなものを扱っているのでそれなりの規模なのですが、実は敷地の中を東海道新幹線が通っているのです。名古屋を過ぎてしばらく行くと、新幹線の中から見えるはずなのですが。廣川さん:えっ、そうだったのですか。うっかり気づきませんでした(笑)。帰りはよく見てみます!ここの魅力は何と言っても、たくさんの大きな石がゴロゴロと置いてあること。何億年もかけて地球の中で作られた石が、人の手で切り出されたと聞いて、尊い価値を持っていると感じ入りました。日比さん:地球が作った自然物のひとつであり、あれだけの種類があることを、一人でも多くの人に知っていただければと思い、「ハローストーンプロジェクト」というものを進めています。廣川さん:どんなことをやっているのですか?日比さん:暮らしの中で石を身近に感じてもらおうということで、インテリア雑貨として使えるものや、石をアートのように飾るプロダクトを作って販売しているのです。廣川さん:いいですね。天然のものだから、暮らしの身近に置いてあると、身体も心も気持ちよく過ごせそう。私は小さい頃から石に興味があって、いわゆる「石ころ」が好きなのです。自宅でも庭に石を置き、少し赤身を帯びた砂利をまいたりしています。見せていただいた、石を壁にかけて飾るアイデアはとても良いと思いました。日比さん:「しかくいし」と名づけたプロダクトで、簡単に壁にかけることができる石なのです。考えてみたら、石と服は共通するところがあるのかもしれません。 廣川さん:私もお話をうかがっていて、服が身体を覆うように、石は建築物を覆っているのだと感じました。日比さん:私たちの仕事は、建築物の外装として石を加工して組み上げること。いわば建物に石を着せる役割ととらえることができるのです。外装として使う石の強度を高めるためにガラス繊維を貼ることがあるのですが、あれは布に芯地を貼るのに近いのかもしれません。廣川さん:そういうプロセスにも興味が湧きます。私は「服は第二の皮膚」ととらえていて、「人が服を着る」とは自己を表現するものであり、自分の意識や心地にも影響を及ぼすと思っているのです。が、その文脈で考えると、人が過ごす空間を石が覆っているわけで、「空間が石を着る」「建物が石を着る」という感覚はよくわかります。服がそうであるように、石も人の意識や心地に影響を与えるのでは? 日比さん:そういう側面はあると思います。普段は気づかないようで、皆さんも何となく「この建物は心地良い、この空間は少し居心地が悪い」といったことを感じているのではないでしょうか? 廣川さん:そういうところ、確かにありますね。服の場合は、肌に触れるものとして心地良い悪いということもありますが、そういう機能だけでなく、その服を着ることで気分に作用するところは大きいと思いますし、そこまで視野に入れたデザインを心がけているのです。日比さん:廣川さんがそうやって服をデザインされるように、建築家やインテリアデザイナーの方々がデザインした意図を、かたちにするべく石を加工するのがうちの役割。デザイナーの方の思いをどれだけ実現できるかに力を注いでいるのです。廣川さん:服作りも一人で完結するのではなく、かたちにしてくれる優れた作り手の方々とのチームワークで成り立つもの。そこは一緒ですね(笑) 後編では、そんな石と服の魅力ついて、もっとお話できたらと思います。(後編に続く)
2021.04.28
Interview

vol.2 『エル・デコ』ブランドディレクター 木田隆子さんが聞きにいきました。

「石のことを知ったらもっと学びたくなる、使ってみたくなる。」関ヶ原石材は、建築物の外装やインテリアをはじめ、さまざまな石材を扱っている会社で、取扱高は日本一。たくさんのビルを手がけています。70年近い歴史を持っているので、会社の中には石にまつわる知識や知恵がいっぱい。面白いエピソードが、あれこれ詰まっているのです。この連載は、石について広く深く知っている関ヶ原石材の日比順次さんが、デザイナーやアーティスト、建築家、ジャーナリストなど、さまざまな業界の人をお招きし、おしゃべりするコーナーです。 新装して2回目のトーク相手は、前回に続いて『エル・デコ』のブランドディレクターを務める木田隆子さんです。世界25カ国で展開している『エル・デコ』の日本版を代表する存在として、多彩な活動を繰り広げています。世界のトップクリエイターをはじめ、さまざまな産地の職人さん、企業の中でデザインにかかわっている人など、幅も奥行きもあるネットワークを携え、第一線で取材を続けてこられました。そんな木田さんが関ヶ原石材を訪れ、石にどんな可能性を感じたのでしょうか――。 日比さん:前回、「石が暮らしに近い存在になったらいい」というお話をいただいて勇気を得ました。木田さん:世界のデザインの大きな流れの中でも石がクローズアップされていて、確固としたポジションを得るようになっています。前回もお話したように、ここ関ヶ原石材さんを訪れ、石には”石の力”とともに”人の力”が宿っていると感じました。この感覚が伝わっていくといいですね。日比さん:工場に置いてある世界各国の石の塊は、言ってみれば”無造作なかたち”であって、完成品ではありません。うちの仕事は、これらの石を加工して手渡していくところにあるのです。 木田さん:加工しないと埋もれたままになる物体としての石、その中に閉じ込められていた、いわば宝もののようなものを掘り出しているのが、関ヶ原石材さんのお仕事なのですね。日比さん:建築家やデザイナーの方の意向を受けて加工するので、黒子として後方からのお手伝いを担っているだけですが。木田さん:控え目でいらっしゃいますね(笑) でもその意味で、建築家やデザイナーの方と組んで、建物だけでなく、違う角度でモノ作りして発表していくのもひとつのやり方ではないでしょうか。石を身近な存在として伝えていくことが大事だと思うのです。日比さん:具体的には、どんなところから入ったらいいと思われますか?木田さん:魅力的な存在なのに、石が暮らしから遠い存在になっているのがもったいない。まずは石そのものを身近に感じてもらうのが大切ではないでしょうか。たとえば、石のすり鉢であるとか、カッティングボードなど、キッチンで使うアイテムもいいのでは?日比さん:かつて日本では、石臼をはじめ、暮らしに近い存在として石が使われていたのに、いつの間にか遠くなってしまったのです。木田さん:それを、今にフィットするスタイルで取りもどしたいですね。料理の過程で、人と石、食材と石との対話が生まれるキッチンがあったら、そこに豊かな時間が流れることでしょう。あるいは、天板が大理石でできた小さなテーブルを置いたら、部屋の中に小さな池が生まれたような、清涼な空気が流れるかもしれません――いろいろと夢が膨らみます。 日比さん:うちでは「いしぞう」というブランドで、石を使ったブックエンドや花瓶など、いくつかのアイテムを開発し、ネット販売も行っています。木田さんがおっしゃるように、可能性があるアイテムはトライしていきたいと考えています。木田さん:石の良さをあまり知らずにいて、暮らしにどう取り入れたらいいのかわからない人は多いと思うのです。でも、石のことを知ったらもっと学びたくなるし、何か使ってみたいと思うはず。ここ関ヶ原石材さんを、もっとオープンにしていくのもいいかもしれません。日比さん:こういう活動を続けていって、たとえば10年後に「石のことだったら関ヶ原石材に聞けばいい」という方が一人でも増えていったら嬉しいです。木田さんも是非、応援していただければ。木田さん:もちろんです。少し宣伝っぽくなりますが、最新の『エル・デコ』について。3月7日発売の号では、コロナ禍が始まって一年ほどたって、新しい生活を実感する時期に、モノ選びの新基準という特集を組みました。コロナを経験して、家にいることが増え、生活の質に目が向くようになっています。その時、家の中にどんな空気が流れていてほしいのか。家具選びの新しい考え方もシェアしています。日比さん:そういう時代に向け、石を取り入れた暮らしを提案していきたいと考えています。木田さん:是非! また、深澤直人さんとジャスパー・モリソンさんへの緊急インタビューも必読。15年前にアクシスギャラリーで行なった展覧会『スーパーノーマル』における、フツーの美しさを見出す考え方がパンデミックの後、どう変化したのかを改めて聞いています。暮らしが変わって行く中で、まずは自分の日常の磨き方が問題になってきているとも言えます。トレンドも大事だけど、まずは自分の美意識きちんと育ててますか?と、そんなことが大切に――合わせて読んでいただけたらと思います。日比さん:楽しみに拝読します。木田さん、今回はどうもありがとうございました。
2021.02.25
Interview

vol.1 『エル・デコ』ブランドディレクター 木田隆子さんが聞きにいきました。

「石が暮らしに近い存在になったらいいのにと思いました」。関ケ原石材は、建築物の外装やインテリアをはじめ、さまざまな石材を扱っている会社で、取扱高は日本一。たくさんのビルを手がけています。70年近い歴史を持っているので、会社の中には石にまつわる知識や知恵がいっぱい。面白いエピソードが、あれこれ詰まっているのです。この連載は、石について広く深く知っている関ケ原石材の日比順次さんが、デザイナーやアーティスト、建築家、ジャーナリストなど、さまざまな業界の人をお招きし、おしゃべりするコーナーです。 新装した本連載でトップバッターをお願いしたのは、『エル・デコ』のブランドディレクターを務める木田隆子さんです。世界25カ国で展開している『エル・デコ』の日本版を代表する存在として、多彩な活動を繰り広げています。世界のトップクリエイターをはじめ、さまざまな産地の職人さん、企業の中でデザインにかかわっている人など、幅も奥行きもあるネットワークを携え、第一線で取材を続けてこられました。そんな木田さんが関ケ原石材を訪れ、石にどんな可能性を感じたのか――おしゃべりが弾みました。 木田さん:ここ3、4年、ミラノサローネなどを取材していて、石を取り入れる動きが強まっている、石が持っている自然のパワーを取り入れようという意識を感じてきました。今日、関ケ原石材さんを訪れて、改めて自然物としての石の美しさにすっかり魅了されて(笑)。石が暮らしに近い存在になったらいいのにと思いました。日比さん:ヨーロッパでは、ローマのパルテノン神殿に象徴されるように、古くから石は、暮らしと密接に結びついてきました。一方、日本で建物などに使われるようになったのは、欧米の文明が入ってきてからのこと。たとえば日本橋の三越が大理石でできているように、西欧の文明の象徴的存在として扱われてきたのです。木田さん:日本人が、石と言われて描くイメージには、大きく2つの方向性があるように思います。ひとつは、お城の石垣や石庭など、奥行きのある美の象徴的な存在。もうひとつは、今ほど日比さんがおっしゃった、西欧文化の導入として作られた西洋建築の数々。そこで終始していて、いまひとつ身近な存在と感じづらいところがあるのです。 日比さん:石を知っている人、勉強している人は少なくないのですが、一般の方が暮らしに取り入れるとなると、木などに比べて遠い存在になっているのです。木田さん:もったいないと思います。世の中の大きなトレンドは、自然のものを暮らしの近くにおきたい、日常生活の中で感じたいという方向へ向かっています。日本人はもともと木に馴染みがあるので、石をあまり取り入れてきていないのですが、付き合う方法がわかれば大きな可能性があると思います。日比さん:そういうお話を聞いて、なるほどと腑に落ちます。うちはもともと、企業向けの仕事が多いのですが、最近は個人のお客様も増えていて、そういうお客様の中に、上質な生活=自然という感覚を持っていらっしゃる方もいますから。石は何億年という時間をかけて自然が創り上げたものであり、本物が醸し出す圧倒的な空気感を備えていると思うのです。木田さん:関ケ原石材さんには、大きな石の塊がたくさん並んでいますが、そのパワーにも圧倒されました。日比さん:世界各国で切り出された石の数々で、いずれも地球を相手に、岩盤から人の力で掘り出したものです。木田さん:石の力とともに人の力が宿っているし、語りかけてくる何かがあって、そこに良い意味の畏れがあるのです。それぞれの石には、産地などを記した文字がマーカーで書いてあるのですが、あれも素敵ですね。神社を作る大工さんが、材木に記したあとのような、おごそかな神聖さがあります。 日比さん:無造作なかたちであること、唯一無二であることに魅力があるのかもしれません。自然物なので、同じ種類で同じ場所でとれたものでも、二つと同じ色柄にはならないのです。木田さん:その意味では人の情熱のようなものがこもっているのかもしれません。岩盤から掘り出されていなければ、あれだけ美しいものも、地球の中に埋もれたままになるということですから。日比さん:あの大きな塊を、建築の内外装に使えるように加工するのが、うちの会社が担っている仕事です。木田さん:関ケ原石材さんのお仕事は、石の内側に閉じ込められていたものを掘り出して、宝物に仕立てていくのに近いかもしれません。日比さん:ありがとうございます。そういう石の良さを、もっと多くの人に知ってもらいたい、味わっていただきたいと思っているのです。木田さん:ここに来てもらうのが一番の早道のような気もしますが(笑)日比さん:今の環境で何からできるかを考え、もっと発信していこうと思っています。今日の対談もそのひとつで、もう少しお付き合いいただければと思います。木田さん:こんなものがあったらいいなというアイデアも浮かんできたので、後編ではそのあたりのお話をできたらと思います。(後編に続く)
2021.01.21
Interview

月刊 HELLO STONE -vol.7 古賀充 氏-

「石のある生活」をテーマとし、毎月すてきなゲストをお迎えし発信していく「月刊 ハローストーン」。ISHIZOやしかくいし等HSPプロダクトを購入してくださった方はどのように石のある生活を楽しんでいるのか、特別にその生活の一部を垣間見させていただきます。第7回目の今回、石の魅力を語っていただいたのはこの方です。造形作家古賀 充 氏プロダクト:ISHIZO ブックエンドアーチ型(白) ーこのプロダクトを選んだ理由を教えて下さい。展示会に伺ったのがきっかけです。「ISHIZO、しかくいし」のシリーズを拝見し、見たことのない様々な石の表情に、驚きと美しさを感じました。自然が長い時間をかけてつくりだす、まるで抽象絵画のような、「しかくいし」もかっこいいと思いましたが、この ISHIZO のブックエンドは、石にしかないかたまり感と、図形のようなシンプルな形に親近感があり、すぐに持ち帰りたいと思いました。日常にはあまりない白い石も魅力的でした。帰り道、入れたバックがずっしり重くって、やっぱり石って重いんだなあと思った記憶があります。(笑)ー普段どのようにブックエンドを使用していますか?僕は海で拾った石を削り、作品を制作しているのですが、自分の作品の他に、友人や海外の作家さんの石のような作品と一緒に並べて、石にまつわるものコーナーをつくって、楽しんでいます。人の手が入っていない自然の石も好きですが、人の手が入ったものに楽しさや安心感を感じます。 ー古賀さんにとって気に入っているポイントがあれば教えて下さい!ブックエンドにして使っても、本なしでそのままオブジェのように置いても、風景の一部になってくれる感じがして気に入っています。プロダクトと彫刻の間のような印象です。 撮影:古賀 充 氏月刊 HELLO STONE  -vol.7-2020年12月—-造形作家古賀 充 氏profile:造形作家。日常に潜む美しさや面白さを、さまざまな手仕事によって作品にし、国内外の展示会にて発表している。作品集や絵本なども制作。主な作品に SEA STONE VASE、LEAF CUTOUTS、Driftwood Dinosaurs、FLAT WORKSなどがある。絵本に『いしころ とことこ』、『ゴトガタ トラック』(福音館書店)がある。—-HELLO STONE PROJECTISHIZO ブックエンドアーチ型(白)
2020.12.08
Interview

月刊 HELLO STONE -vol.6 KIGI / OUR FAVOURITE SHOP 寺田 未来 氏-

「石のある生活」をテーマとし、毎月すてきなゲストをお迎えし発信していく「月刊 ハローストーン」。ISHIZOやしかくいし等HSPプロダクトを購入してくださった方はどのように石のある生活を楽しんでいるのか、特別にその生活の一部を垣間見させていただきます。第6回目の今回、石の魅力を語っていただいたのはこの方です。KIGI / OUR FAVOURITE SHOP ショップマネージャー寺田 未来 氏プロダクト:ISHIZO 花器(ベージュ) ーこのプロダクトを選んだ理由を教えて下さい。私達が東京・白金で運営するギャラリー・OUR FAVOURITE SHOP で、ISHIZOのAD・石井洋二さんがご自身の展示をされて、その際にこのプロダクトに出会いました。お店でも小さなお花を挿してディスプレイしていたのですが、ポンと置いてあるだけでも印象的で、石なのに優しい雰囲気がとても気になっていました。ちょうど、自宅の部屋の雰囲気を少し落ち着いた感じにしたいな、と思っていたので、普段はあまり選ばない色味だったものの、空間に馴染む感じが気に入り、ルナベージュを選びました。ー普段どのように花器を使用していますか?自宅で、その日の気分や挿している花に合わせて、デスクや本棚、色々な場所に飾っています。どの場所でも他のマテリアルと喧嘩することもあまりなく、キッチンなどにも置いたりします。家に細かいものが多いのですが、そんな中では、直線的なフォルムと適度な重厚感が、全体をまとめてくれているようでバランスが良くなります。 ー寺田さんにとって気に入っているポイントがあれば教えて下さい!部屋の中には、いつも植物は飾っておきたいなと思うのですが、お花を買いにいけない時には、ベランダの植物をちょっと切って生けたりするだけでも様になるので気に入っています。野花でもきっと可愛くなると思います。少しグリーンがあるだけで、気持ちが安らぎます。大袈裟なアレンジをしなくても、空間にポイントができるのが嬉しいです。 撮影:寺田 未来 氏月刊 HELLO STONE  -vol.6-2020年11月—-KIGI / OUR FAVOURITE SHOPショップマネージャー寺田 未来 氏profile:長年身を置いていた演劇やダンスの舞台活動から一転、デザインを軸に幅広くクリエイティブ活動を行うKIGIの門を叩く。KIGIが滋賀の職人達と立ち上げたプロダクトブランド・KIKOFのプロジェクトマネージャーとして、職人の持つ高い技術を現代のライフスタイルにあったデザインを通して、長く繋いでいく活動に携わる。2015年、OUR FAVOURITE SHOPの立ち上げに携わり、ショップマネージャーとして企画・運営・プレスを担当する。—-OUR FAVOURITE SHOPでは定期的に様々な企画やイベントを開催しています。11/6(金)〜11/29(日)は「Lake of Grace #004  Dear T.I.」を開催いたします。—-HELLO STONE PROJECTISHIZO 花器(ベージュ)
2020.11.10
Interview
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